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イギリスの動物愛護団体

2015年の統計によるとイギリスの人口は約6500万人、全世帯数の約46%にあたる1200万世帯が何らかのペットを飼っていて、ペットの総数は約5800万匹(この数字には熱帯魚なども含まれています)、そのうちの850万匹が犬、740万匹が猫といわれています(PFMA Pet Population Reportより)。
 
イギリスでは犬や猫をペットショップで買うのは稀で、きちんとライセンス認定されているブリーダーか、保護施設から迎えることがほとんどです。子犬や子猫が、「可愛いから」とペットショップで次々と売られている日本とは、大きく異なる点です。ごあいさつ」でも書きましたが、イギリスには日本よりずっと厳しい動物愛護法もあります。
 
ここではイギリスの代表的な動物愛護団体を5つ、ご紹介します。どれも巨額な寄付金と遺贈金で成り立っていて、イギリス国民なら誰でも知っている団体ばかりです。それぞれのページに年間の収入を記しましたが、5団体合わせると一年間に478億円(3億4101万ポンド)の収入で、その約8割~9割が寄付金と遺贈金ということになります。この5団体以外にも規模が小さいものが沢山あるので、イギリス全体で年間、動物愛護に費やされる金額はもっと大きくなります。日本の半分の人口の国で、この金額です。これらの施設やスタッフが充実しているのは勿論ですが、それ以外に気づいた日本との大きな違いは、つぎの4点です。
  1. 大きな組織と全国的なネットワークをもっていること
  2. わかりやすく親しみやすい教育用の資料を豊富に作成していること
  3. コマーシャルや番組の作り方が上手なこと
  4. 寄付金集めのアイディアが多岐にわたり、斬新なこと
 
4番目の寄付金集めには、遺言状に寄付することを記す法的なサービスや、里親になれない人に「スポンサー」というシステムを使ってもらうことなども含まれます。「スポンサー」とは、保護施設にいる特定の一匹をホームページから選び、毎月一定額を口座引き落としにして援助するものです。保護施設スタッフから報告の手紙や写真が定期的に送られてきます。また、チャリティーイベントを開催・参加することも奨励していて、ティーパーティからスカイダイビング、バンジージャンプ、マラソンなど、各団体のホームページで様々なアイディアを参考にすることができます。
​日本の議員さんなどのイギリス視察旅行では、保護施設を見歩いて「すごいねー」と帰国することが多いようです。でも、その「すごい施設作り」の裏には、様々な工夫や努力、そして大勢の熱意があることも知っていただきたいと思います。各団体のデータや詳細は他のサイトでも紹介されているので、ここでは、なるべく日常の活動が伝わるように心がけて、各団体が作った動画を中心に、ほんの一部ですが日本語の説明つきでご紹介します。何かヒントを見つけていただければ嬉しいです。
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