"Knowledge will bring you the opportunity to make a difference."
"知ることが、変化を起こすきっかけになります" ~Dr. Claire Fagin (1925- )
FWPについて
"秘書のアキ"は、ノラ猫の子猫で2015年に保護しました。人間に慣れるまで沢山のリハビリが必要でした。
Friends With Paws (FWP) 代表 ごあいさつ
小さい頃から、犬や猫に囲まれて育ちました。この白黒写真は47年前の祖父、弟、私とコリー犬のメルです。メルは、元の飼い主から払い下げになり、年老いてから我が家に来ました。10歳くらいだったと思いますが、それからの数年間は夢のように素晴らしい時間でした。メルがくれた沢山の愛情は、今もずっと心に残っています。
ロンドンの音楽学校へ留学したのをきっかけに、イギリスに住んで今年で25年目になります。音楽の仕事で、頻繁にイギリスと日本を行ったり来たりするうちに、この二国間の動物福祉やペット事情には大きな違いがあることに気づきました。
日本は今、空前のペットブームです。ペットの数が子どもの数を上回り、ペットショップでは多くの人気血統種の犬や猫が売られています。テレビでも「かわいい!」を前面に押し出した安易な番組が作られています。
一方で、未だに8万匹以上の犬や猫が年間、殺処分されています。ハンドバッグや車を買い替えるように飽きたからと言って犬や猫を捨てる人、老人ホームに入るためにペットの面倒をみられなくなる人、避妊手術をしないまま野良猫にエサだけやる人、理由は様々ですが、人間の事情で処分されるペットは後を絶ちません。
ペットブームの陰で、ペットショップで売れ残ってしまった子犬や子猫、人気種の無理な繁殖のために障害を持って生まれる子犬や子猫、そして子宮がボロボロになるまで機械のように産まされ続ける母犬・母猫も悲惨な末路をたどります。
そんな状況に心を痛めて献身的に犬や猫を救う活動をしている方も大勢いますが、「殺処分ゼロ」を目指す理想の裏で、疲弊しているボランティア団体の苦悩も耳にします。もっと日本全国の団体をつなぐ大きな組織やシステム(里親情報だけでなく)と、厳しい法律、そして何よりも人々の意識を変えるための教育を充実させていく必要があると思います。
年間の殺処分が数千匹(主に重症の犬猫と違法の闘犬)のイギリスも決して完璧ではありませんが、イギリス全土に長年しっかりと根付いている保護団体のシステムや寄付活動、広く行われている動物愛護の教育、それを後押しするテレビの番組作り、そして日本よりもずっと厳しい動物愛護法など、私たちが学べることは沢山あります。
イギリスの取り組みを日本の方たちに知っていただくことで、少しでもお役に立てればとの思いから、今回、このホームページを立ち上げました。これから少しずつ、情報をアップしていきたいと思います。新たな情報は、HOMEのUpdatesでご確認いただけます。
「動物愛護」と聞くと近寄りがたいイメージを持たれる方や、動物好きだからこそ殺処分される犬猫の状況を知りたくない方も多いようですが、その心情は十分理解できます。今後、発信側の工夫も必要かと思います。イギリスはチャリティーの歴史が長いこともあり、厳しい活動ばかりでなく、子供から老人までを上手に巻き込んだ様々な楽しいイベントや面白い寄付方法など、アイディアの柔軟性にアッと驚くことも度々です。「難しく考えず、とにかく出来ることを何かしてみようよ!」というヒントを見つけていただければ嬉しいです。
また、日本の団体の懸命な活動も、ぜひイギリスの方たちに知っていただきたいと思います。まずは、私がたまたまご縁があったものから、ご紹介します。二国間で「ここは、こうしたら?」と、協力したり刺激したりできるような架け橋を築くことが夢です。
ところで、このサイトの名前 "Friends With Paws" は、意訳すると「四本足の友達」といったような意味になります。英語では、犬や猫など爪がある動物の足をpawsと言います。人間も動物も、みんなが幸せに暮らせる日に向かって、少しずつ前に進んでいかれることを願っています。
桑原春子